2008.08.23

要求工学

久しぶりに,情報工学部会に参加してきました。今回は技術士会の中の行事ではなく,情報処理学会との共催イベントである上,講演1時間+ワークショップ2時間という,手を動かしてグループワークするという形式(どうやら初めて)のため,たいへん楽しみにしていました。

テーマは要求工学です。以下のキーワードがありました。

  • ソフトシステムズ方法論(SSM)
  • リッチピクチャー
  • CATWOE分析
  • ゴール分析

講師は筑波大学の中谷多哉子准教授。講演も巧みで,たいへんわかりやすく拝聴しました。夏休みのためか,この内容にして出席30名少々,懇親会で10名少々は「もったいないなぁ」と思いました。技術士会でアンケートを採ると,学会との共催やワークショップ形式などを望む声は多いです。ぜひこういう行事を盛り上げて欲しいなと思います。

懇親会まで楽しませていただきました。要求工学もアレンジして活用してみたいと思いました。

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2007.03.26

Suicaと生物システムのアナロジー

PASMOシステムは、どのように構築されたのかなと書いたところ、ちょうど今手元にある「技術士」最新号(2007.3号)に、Suicaの解説記事がありました(^_^;)

椎橋章夫,「自律分散ICカード乗車券"Suica"システムにおける高速処理と高信頼性技術について」,技術士2007.3

これによると、生物をアナロジーとした自律分散システムによって、高速処理性と高信頼性を両立したのだそうです。一見関係のなさそうな事象からヒントを得るプロセスに、とてもひかれます。生物の細胞レベルは常に破壊/生成を繰り返しつつも全体としては機能を保ち続けている、その構造をシステムとして実現するように、ICカード、自動改札機、センタサーバをシステムとして結合させたそうです。

こうして高速性と信頼性の相反する要件を満たすことに挑戦し、2001年11月18日導入以降5年にわたって大きなトラブルを起すことなく運用されているということ。2007年3月18日、PASMOとともに私鉄・バスにまで拡張されましたが、これは生物でいうところの「成長」といえるのでしょう。ノンストップで機器の代謝を繰り返しつつ、全体として機能を成長させていくわけです。

おそらく、現場レベルでは相当の試行錯誤が繰り返されたことでしょうね。こうした体験をしてみたいものだし、またアイディアを小規模でも取り入れてみたいと感じます。

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